輝きが向こう側へ!

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【ネタバレ・感想】新たなスタートを切るために必要なエピソード『特別編 響け!ユーフォニアム ~アンサンブルコンテスト~』

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タイトル:特別編 響け!ユーフォニアム ~アンサンブルコンテスト~ 
監督:石原立也 脚本:花田十輝 音楽:松田彬人
キャラクターデザイン:池田晶子
キャスト:黄前久美子/黒沢ともよ、高坂麗奈/安済知佳 他
配給:松竹 公開日:2023年8月4日 上映時間:57分

夏の吹奏楽コンクールと並ぶ、アンサンブルコンテスト(通称:アンコン)の魅力は、1グループ数人による熱い演奏だ。アンコンの京都府大会への出場を目指し、久美子が所属する北宇治高校吹奏楽部は、校内予選によって代表チームを選出することになった。しかし、部員が50人を超える北宇治高校吹奏楽部では様々な問題が発生。進級し部長となった久美子は、無事に校内予選をやり遂げるべく奮闘する。

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劇場版というよりもTVシリーズに近い感覚

 これまでのユーフォの映画は、TVシリーズを劇場版としてまとめたものであったり、長尺の新作として制作されていきましたが、このアンサンブルコンテストについては、TVシリーズ第3期の前段のお話。尺としては1時間弱ですので短く感じるかと思っていましたが、久美子のモノローグでは新部長としてうまくやっていけるかどうかの不安が度々語られるものの、傍から見れば良く出来た新部長の活躍が描かれていて、むしろその活躍っぷりを楽しむのがこの作品の本質だったのかもしれません。さらには、宇治北高校の日常が再び楽しめましたので、満足な1時間弱でした。大事が起こるわけでもなく、ヒリヒリする場面がある訳でもない。さらにはクライマックスでの演奏シーンがとんでもないクオリティってことでもない。感覚としては、TVシリーズの丁寧な日常の描かれ方が引き継がれていて、TVシリーズを2話分観た感覚に近かったでした。ひとつの映画作品としては物足りないかもしれませんが、再びユーフォのアニメが作られたということにおいては大きな意味がある一作であることは間違いありません。

 

新たなスタートを切るために必要なエピソード

  前述した通り、かつてのTVシリーズの延長線上の作りであったことは、ブランクを埋めるため、新たなスタートを切るために必要なエピソードであったのではないかと思います。そのブランクを生んでしまったあの出来事。あの事件がなければと思わずにはいられず、当時の犯行前の映像を見るたびに、この人間をどうして止められなかったのかと、どうすることもできないことが分かっていても、そう思ってしまう、やるせない思いばかりが募ります。


みぞれはもういいんじゃないか?

 8月20日に新宿ピカデリーにて鑑賞したのですが、3年生チーム(東山奈央さん・種﨑敦美さん・山岡ゆりさん[司会担当]・藤村鼓乃美さん)の舞台挨拶付き上映でしたので、少しその感想を。3年生チームの登場シーンはごく僅か。とはいえ、いろいろなエピソードを聞くことができました。アフレコは、映画を観れば分かる通り、4人一緒にいるシーンはなかったので、4人一緒には収録はできず。東山さん・山岡さん・藤村さんの3人は一緒で、種﨑さんは黒沢さんと。3人のシーンは、OGをアンコンに誘うシーンで、種﨑さんと黒沢さんのシーンは、窓を開けてもらうシーンです。このシーンについてそれぞれ語られていて、吹奏楽部のOGをアンコンに誘うシーンでは、夏紀が優子に向かって「アンタと一緒がいいって言ってんの!」と逆のことをテストで言ってしまうNG?(心のなかではそう思っている?)があったそうです。そして、それを言われたことに気付かなかった山岡さんと、台本の表紙に「なかよしアドリブ」と書き込んだ東山さんまでがこの話のセットです。窓を開けてもらうシーンでは、みぞれが久美子に「窓、開けるのが上手いね」と、らしい印象的なセリフを言ってしましたが、そのセリフについては物理的・心理的(久美子の後輩に対しての接し方について?)の両面で解釈されていたようです。最後に、個人的に印象的だった話として、みぞれの演じ方について。今回の種﨑さんの演技について鶴岡音響監督から「みぞれはもういいんじゃないか?」と言われた話がとても印象的でした。このアドバイスにより、あの演技になっているというのは、さすがの理解力と演技力だなと思うばかりでした。


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