輝きが向こう側へ!

輝きが向こう側へ!

思いついたことをそのまま記事にしている何の脈略もないブログです。アニメやゲームの感想等を掲載。

【ネタバレ・感想】TVシリーズとしてじっくり観たかった『響け!ユーフォニアム ~誓いのフィナーレ~』

タイトル:響け!ユーフォニアム ~誓いのフィナーレ~
監督:石原立也 脚本:花田十輝 音楽:松田彬人
キャラクターデザイン:池田晶子
キャスト:黄前久美子/黒沢ともよ、久石奏/雨宮天 他
配給:松竹 公開日:2019年4月19日 上映時間:1時間40分

響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 前編 (宝島社文庫)
 

昨年度の全日本吹奏楽コンクールに出場を果たした北宇治高校吹奏楽部では、2年に進級した黄前久美子(声:黒沢ともよ)と3年生の加部友恵が4月から新しく入った1年生の指導に当たることに。全国大会に出場したとあって多くの新入部員を迎えるなか、低音パートには、一見、何の問題もなさそうな久石奏(雨宮天)、周囲と馴染もうとしない鈴木美玲(七瀬彩夏)、そんな美玲と仲良くしようとする鈴木さつき(久野美咲)、自身のことを語ろうとしない月永求(土屋神葉)の4名がやって来る。サンライズフェスティバルやオーディション、そしてコンクールと、全国大会金賞を目標に掲げる吹奏楽部では問題が次々と勃発。北宇治高校吹奏楽部の波乱の日々が始まる……。

MovieWalker

 

 

冒頭、『たまこラブストーリー』でも始まったのかと

 これまで劇場版として、主人公である黄前久美子が1年生の頃の内容を描いたTVシリーズの総集編が2作品がありましたが、本作では久美子が2年生に。TVシリーズの総集編としてではなく、完全新作劇場版として公開されました。自分は21日のMOVIX京都舞台挨拶付上映で鑑賞したのですが、高坂麗奈役の安済知佳さんが、大吉山でのシーンで麗奈が着ていた服装で登場。あんなドレッシィな格好であの山に登ったのかと、とても印象的な服装でしたので、登場されてすぐ服装のことに気付いたのでした。舞台挨拶の内容としては、京都の話題が多く、数日前に加藤葉月役の朝井彩加さんが京都に来ていた話や、石原立也監督からは駅でのアナウンスのリアリティの話があり、これに対しては拍手が起こっていました。上映後舞台挨拶の際には、これまで数多くの劇場に足を運ばれていて疲れが溜まったのか、久美子役の黒沢ともよさんは、ちょっとしたことでも笑い出してしまう状態に。安済さん、朝井さんは話すことがまとまらず。そんな中でも、まとめ役として川島緑輝役の豊田萌絵さんが最後の砦として頑張っておられました。

  冒頭から、久美子とその幼馴染である塚本秀一とのシーンが。『たまこラブストーリー』が始まったのではないかと思うぐらいに、らしくないシーン・演出となりました。そもそも久美子にその気がないことをTVシリーズでは、ずーと描いていたと思うのですが、ここにきてようやく進展が。修一とのシーンが度々挿入され、付き合うという距離感になったことで、今までにない久美子のリアクションが見られたのは面白かったなと。距離感というと、駅のベンチでの2人の距離感。それを観て、進展しててもその距離感は相変わらずなのかと、ガッカリするような、安心するような複雑な気持ちに。

 

標準語での掛け合いに違和感を覚える

  これまでの久美子と田中あすかとの掛け合いと同じく、久美子と久石奏の掛け合いが脚本の基軸と感じました。しかし、この掛け合い。何か違和感を覚えるので、それが何故かと映画を見終わってからしばらく考えていたのですが、これは標準語でのやりとりだったからかなと思いつきました。原作では関西弁。原作は読んでいないのですが、奏の様なキャラクターは京女特有のハンナリしつつもネチネチとした喋り方が本来の姿なのではないかなと。そちらの方が嫌らしさが出て、役としてハマるはずだと思ったのです。それをうまく翻訳できていない点が、違和感を覚えた理由なのではないかと考えました。しかしながら、関西弁にしたところで、奏がさらに嫌みを感じるキャラクターになってしまうので、これはこれで標準語のままが丁度良いのでしょう。関西弁ではイライラして観ていられなかったかもしれませんからね。


長尺の演奏シーンで毎回思うこと。

 クライマックスでは、いつもの長尺の演奏シーンが。毎回思うのですが、この演奏シーンで間を持たせる演出は大変だろうなとつくづく思うのです。尺の長さもそうですが、壇上にいる人数が多い時点で、それを全て動かすのは手のかかる作業であり、かつ、音楽経験者が観ても不自然にならないような楽器の演奏描写を再現する必要がある。さらには、観る者を引き付ける演出になっていなければならない。作り手側の立場を考えますと胃が痛くなります。今回の演奏シーンですが、カット割りが多く、今まで以上に魅せる演出になっていたなと感じました。『リズと青い鳥(昨年公開作品)』本編とはまた違った形での演奏シーンが観られる。この時点でも熱いものがありましたが、演奏シーンでの魅せ方のノウハウが出来てきたのだろうなと感心しながら観させてもらいました。



正直なところ、TVシリーズとしてじっくり観たかった

 TVシリーズ1期2期と描いてきた1年目の内容を、2年目は1本の劇場版として100分という上映時間で構成。さすがにこれでは原作の内容を収めることはできませんので、あくまで久美子視点のお話としてまとめられています。本作では後輩である1年生組が登場するのですが、久美子と同じユーフォパートである奏との話が中心に。他の1年生組との関係性が薄いので、些細なことで揉め事になった時に、何でそこまで揉めるの?と疑問を覚えてしまうのですが、作中にあるちょっとしたヒントを基に、一応理解できるような作りにはなっています。とはいえ、深く知るには原作を読むしかなさそうです。

 部活の1年間の周期で行われるイベントごとはそうそう変わるものではないので、大筋の内容についても変わりません。1年間のスケジュールを俯瞰で見てしまいますと、毎年淡々とイベントごとが進んでしまうのだと感じてしまうのですが、学生時代はそれが濃密に感じられるもの。それがTVシリーズ1期、2期で丁寧に描かれていたからこそ、そう感じられていたのではないかと思います。この久美子視点の『誓いのフィナーレ』と、鎧塚みぞれ視点の『リズと青い鳥』が同じ時期の内容となりますので、この2作品で原作の内容をある程度カバーしているものの、TVシリーズとしてじっくり観たかったなというのが正直な感想でした。群像劇として『響け!ユーフォニアム』が自分は好きなんだろうなと、改めて実感。続く、3年生編に思いをはせつつも、その前にちょっと時間を巻き戻せないかなと思うのですが。さて、どう進んでいくのやら。