輝きが向こう側へ!

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【ネタバレ・感想】観終わっての帰り際、現代のお子さんの感想が面白かった『シン・ウルトラマン』

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タイトル:シン・ウルトラマン
制作会社:円谷プロダクション=東宝=カラー
企画・脚本・制作・編集:庵野秀明
監督:樋口真嗣 音楽:宮内國郎、鷺巣詩郎
キャスト:神永新二/斎藤工、浅見弘子/長澤まさみ、田村君男/西島秀俊 他
配給:東宝
公開日:2022年05月13日 上映時間:1時間52分

巨大不明生物“禍威獣(カイジュウ)”が次々と現れ、その存在が日常となった日本。通常兵器がまったく役に立たず、限界を迎えた日本政府は、非粒子物理学者や汎用生物学者など、禍威獣対策に関するエキスパートを集めた禍威獣特設対策室(通称:“禍特対”)を設立する。禍威獣の脅威が迫るなか、銀色の巨人が大気圏外より突如出現。それを機に、禍特対には巨人対策のための分析官である浅見が新たに配属され、作戦立案担当の神永とタッグを組むことになる。

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 シン・ゴジラに続いてのシン・ウルトラマン。シン・仮面ライダーの公開が後に控えていますが、シンシリーズの第2段となります。シン・ゴジラとシン・仮面ライダーについては、庵野秀明さんが監督を務めていますが、シン・ウルトラマンについては、平成ガメラシリーズ等でお馴染みの樋口真嗣さんが務めています。


シン・ゴジラ的に現代に沿った内容ではあるが、中身は別物
 本編の内容は、TVシリーズのウルトラマンを現代風にまとめて映画化したといった内容。シン・ゴジラがドキュメンタリータッチの意欲作であったことに対して、こちらは、設定自体はシン・ゴジラ的に現代に沿ったものであるものの、根本のウルトラマンから外れていない内容となっていました。設定をシン・ゴジラに沿ったものとしたことで、旧作のウルトラマンでの科学特捜隊が、シン・ウルトラマンでは禍威獣特設対策室になり、戦闘機で戦いに赴く形から、パソコンでの状況分析となってしまい、科学特捜隊のSF特撮ものとしてのお楽しみ要素がダウン。とはいえ、以前のまま科学特捜隊を出してしまっては、シンである意味がなくなるので、これはこれで仕方ないのかもしれませんし、SF特撮ものという側面をある程度そぎ落とすことで、一般向けの映画にリブートされていると言えるでしょう。
 先述した通り、根本のウルトラマンの大枠から外れていない内容ですので、今改めて、ウルトラマンTVシリーズを1本の映画としたらこうなるというものが観ることができたという印象でした。さらには、旧作をモチーフとした要素が散りばめられていますし、特に旧作からの劇伴の引用がありますので、これまでのファンにとっても楽しめる内容だと感じました。


カラータイマーがなくなったウルトラマン
 ウルトラマンのデザインにカラータイマーがなくなりましたが、意外とその点は違和感なく見れました。よくよく考えてもみれば、3分経ったら地球内での活動リミットを知らせる機械的なものが胸元に付いていること自体そもそもおかしかったのに、それを当たり前のこととしていただけなのかもしれません。このカラータイマーの代わりに、皮膚?の色が変色していくことで活動リミットを表現。これは、旧作のウルトラマンが放送されていた当時はまだ、モノクロテレビが主流でしたので、あえて使わなかった表現方法と言えます。
 肝心のウルトラマンと怪獣、ではなく禍威獣との対決のシーン。CGではあるのですが、ウルトラマンがツルツルしている訳ではなくて、質感があり、この点も違和感を感じさせず。微動だにしないまま飛ぶシーンは旧作のリスペクトなんでしょうが、それを知らない人にとっては、安っぽく見えたかもしれません。


実相寺監督リスペクトが、正直くどい
 序盤、カット割りが細かすぎる上、矢継ぎ早の台詞の数々に様々な情報が含まれているので、観ていて疲れるなと思いながらの視聴。さらには、かつてのウルトラマンシリーズで特殊なアングルを用いていた実相寺監督リスペクトの映像表現がこれでもかと出てくるので、正直くどいと思ってしまいました。ウルトラマンといえば、実相寺監督の功績は大きいものだと思いますが、このシン・ウルトラマンでは、シナリオと映像演出がうまくかみ合ってないことが多くて違和感があり、あの特殊なアングルを再現していただけで、モノマネにすぎないのは残念でした。そして、そのモノマネを執拗に繰り返されるのは、さすがに辛く感じたのでした。ただし、何故か後半はそれが薄れていったので、徐々に気にならなくなっていきました。映画を観終わっての感想としては、TVシリーズを踏襲した内容で、どうしても総集編的となり、そう感じさせないための脚本の練り直しが必要であったかなという感じました。庵野さん本人が監督をしていたら、作りながらそれをしていたでしょうが、それはそれで映画の公開時期が永遠にのびるわけで、ここが落としどころなのだろうなとも思うのでした。


帰り際、現代のお子さんの感想が面白かった
 映画を観終わっての帰り際、「ゼットンってあんなだった?」とお子さんの声が聞こえてきたのが、自分にとってのこの映画のハイライトだったのかもしれません。こだわりの塊の様なおじさんからその言葉を聞くのは、とてもありそうで、特になんとも思わなかったと思うのですが、現代のお子さんからその言葉が聞けるとなると、それはそれで面白いものでした。

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