輝きが向こう側へ!

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思いついたことをそのまま記事にしている何の脈略もないブログです。アニメやゲームの感想等を掲載。

【ネタバレ・感想】Get Wildの聞こえ方がいつもと違うその理由は『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』

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タイトル:劇場版シティーハンター
     天使の涙(エンジェルダスト)
総監督:こだま兼嗣
脚本:むとうやすゆき 音楽:岩崎琢
キャラクターデザイン:高橋久美子、北澤精吾
キャスト:冴羽獠/神谷明、槇村香/伊倉一恵 他
配給:アニプレックス
公開日:2023年9月8日 上映時間:1時間33分

新宿を拠点に活動する“シティーハンター”こと冴羽獠は、パートナーの槇村香と共に様々な依頼をこなしている。そんな彼らに動画制作者のアンジーから猫探しの依頼が舞い込む。一方、警視庁の野上冴子は、海坊主と美樹の協力のもと、バイオ企業であるゾルディック社の兵士超人化テクノロジー「エンジェルダスト」の最新型の捜査を開始。そして、図らずも「エンジェルダスト」を巡る壮絶な戦いに巻き込まれた獠の前に、彼の育ての親である海原神が立ちはだかる。

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ラスボス海原神が登場で最後となるのか

 1度の復活で、もうこれで最後かなと思っていたのですが、まさかの新作が公開。さらには原作でのラスボスである海原神が登場ということで、これが本当の最終作になるのかと、最後を見届けに劇場へ足を運びました。今回もまた舞台挨拶付上映(上映後舞台挨拶)を観に行ったのですが、この場で初めてお目にかかったのは、沢城みゆきさん・一龍斎春水さん・玄田哲章さん。既に大ベテラン感がある沢城さんですが、この場では一番若手。思えばルパン三世の現場でもそうですね。一龍斎春水さんのお声を聞くと、野上冴子ではなく森雪を思い出してしまうという。玄田さんは玄田さんと言うより、シュワルツェネッガーに会ったという感覚に陥ってしまいました。

 海原神が登場するということは、麻薬密売組織「ユニオン・テオーペ」も必然的に話として取り扱わなくてはなりません。しかし、TVシリーズでは、「赤いペガサス」という別組織となっていました。こういったアニメと原作で設定が変わっていたということは当時は多かったですが、この変更をどう取り扱うのかと本編を見てみましたら、「赤いペガサス」の上位組織が「ユニオン・テオーペ」という設定となっていました。これであれば話は繋がります。この設定は原作者である北条さんの発案だとのことです。


『Get Wild』の聞こえ方がいつもと違うその理由は

  見終わっての感想。「コレは前後編の前編だ」神谷さんが映画の宣伝で各所を駆け回っている理由が分かりました。前編が成功しないことには後編が作れないという訳です。舞台挨拶で伊倉さんが、エンディング曲の『Get Wild』の聞こえ方がいつもと違うと話されていましたが、『Get Wild』がエンディング曲として使用されていたのは、TVシリーズの初期で、1本完結のお話が多かったこともあり、『Get Wild』が流れているのに話が完結しない違和感を感じられたのではないかと思います。前後編が多かったシティーハンター2のエンディング曲(『Super Girl』『STILL LOVE HER』)だとしっくりきたのかもしれません。さらには、TVシリーズの様に、後編へと繋ぐ予告もあったら尚良しでした。

 予告編では海原神が登場していたのですが、本編での登場シーンはごく僅か。中盤になってもなかなか登場しないので、本作では顔見世程度だと途中で気づきました。肝心の本編については、依頼人が敵役という、ありそうでなかった設定。とはいえ、序盤中盤とお話はシティーハンターのフォーマット通り進んでは行くのですが、依頼人が敵役ということで、依頼人を救えないという、クライマックスにはこれまでになかった状況へと進んでいきます。海原神により、エンジェルダストを打たれて自我を保てなかった依頼人を撃つことになるのですが、ここで香りが「撃って」と言うことに違和感を感じました。ある意味、撃つことが救済に繋がる状況ではあったものの、それでも「撃たないで」と邪魔してしまうのがいつもの香でないかと思ってしまったわけです。釈然としないこの辺りのくだりからも、伊倉さんがエンディングに違和感を感じたのではないかと思います。

 

作画は前作より落ちるものの、デザインは旧作風

 おそらく前作は、仕事を終えた、または仕事をしている最中のガンダム関連の作画陣が関わっていたはずですので、ことぶきつかさ風味(安彦良和風味?)が強かった印象。それと比べますと、作画のレベルが落ちているのが気になりました。とはいえ、キャラクターデザインは今作のほうがシティーハンターっぽくはあるので、全体評価としてはなんとも言えません。クライマックスの戦闘シーンの絵が少々単調なので、感動させどころが弱いのは否めず。ここで、TVシリーズでの悲しくも感動的なシーンで流れるBGMが使えたのであれば、BGMの力でなんとかできたでしょうけれども、クライマックスでありながら、絵的にもシナリオ的にも間延びしていて残念だったと感じました。沢城さんが演技を頑張っていただけに歯がゆい。最後の最後での冴羽・海原のシーンについては良かっただけに、このシーンへの持っていき方がどうにかならなかったかなと思うばかり。そういえば、この最後のシーンを舞台挨拶で玄田さんによる再現が聞けたのはありがたかったでした。


前作から感じていた演技のテンポについて

  演技のお話。前作から感じていたことではあるのですが、さすがに神谷さんもTVシリーズ当時の演技と同じとはいかず、テンポが遅れがちに。重厚な演技を求められる場合にはそれがマッチするのですが、おちゃらけたシーンだと間が悪く感じてしまうことがありました。とはいえ今作では、そのテンポを上げて演技されている箇所もいくつか見られて、その間は往年の演技を感じることができました。収録前に調整を重ねられたのだなと思うと同時に、まだやれるという期待感もまた感じられました。前作の印象的な台詞「俺を呼んだのは君だろ?」。今作の脚本には入っていなかったにもかかわらず、神谷さんが入れてほしいとのことで、今作でもその台詞が聞くことができました。次回作を望む声が大きければ、また再びこの台詞が聞く日が来ることでしょう。



JR新宿駅東改札外スペースに掲出されていた掲示板。

【ネタバレ・感想】これだけスポーツをリアルに再現した映像作品はそうそうない『THE FIRST SLAM DUNK』

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タイトル:THE FIRST SLAM DUNK
監督・脚本・原作:井上雄彦 音楽:武部聡志
作画監督・キャラクターデザイン:江原康之
キャスト:宮城リョータ/仲村宗悟、桜木花道/木村昴 他
配給:東映 公開日:2022年12月3日 上映時間:124分

主将である赤木剛憲を筆頭に、宮城リョータ、桜木花道、流川楓、三井寿ら神奈川県立湘北高校バスケ部のメンバーたちは「全国制覇」を目標に掲げ、バスケと向き合っていく。

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これだけスポーツをリアルに再現した映像作品はそうそうない

 かつて放送されていたTVアニメシリーズの声優陣から全員変更されるという、TVシリーズのファンの方にとってはデメリットと言える情報が先行し、それ以外の情報はほとんどない状況のまま公開へ。どうなることかと思っていたのですが、そんな動向は関係なしに、公開2日目に観に行きました。

 本作がCGアニメーションであることは知っていたのですが、これが相当手間をかけて作られたらしく、CGアニメ特有の不気味の谷はなくて、原作テイストを再現した映像となっていました。どうしても手描きアニメーションの場合、スラムダンクであればバスケットボールというスポーツの動きを再現するのは、知識もそうですし、実戦を経験していないことには、嘘を描いてしまいがちで実際の動きを再現することは難しいです。それが、モーションキャプチャーを活かした映像作りで、要所要所の見せ場をカットごとに見せるのではなく、リアルタイムに進行するバスケットボールというスポーツを臨場感抜群に再現。正に試合を観ている感覚に陥いったことには驚かされました。これまでの映像作品において、これだけスポーツをリアルに再現した作品はそうそうないのではないでしょうか。クライマックスでは、スポーツ観戦する一観客としてただただ応援してしまいました。

 

主人公は桜木花道ではなく、ナイーブな性格になった宮城リョータ

  話の中身としては、TVアニメシリーズでは途中打ち切りのため描かれなかった山王戦がメインのお話。そして、主人公は桜木花道ではなく、宮城リョータに変更されています。リョータについては性格についても変更されていて、お調子者のイメージがありましたが、そんなイメージは全く感じさせない、ナイーブな性格に。これについては、兄との別れ、親とのすれ違いといった、闇を感じさせるバックボーンが描かれたので、性格変更も仕方なしかと。TVシリーズよりも、年相応なキャラクターでしたので、新たにリョータを演じることになった仲村宗悟さんのナイーブな演じ方にマッチしていたと感じました。ここで声優交代についてですが、最初のうちは桜木花道の声に正直慣れなかったものの、観ていくうちに気にならなくなりました。そもそものイメージからすれば、そうイメージからかけ離れた声ではないのですが、前任者のイメージが強すぎたのでしょう。(草尾さんも草尾さんで最初は違和感があったような、遠い記憶)他のキャストについては、それほど違和感はありませんでした。(特にゴリ)


新人映画監督、井上雄彦さんの今後に期待

 本作の監督を務めたのが原作者である井上雄彦さん。原作者が監督したアニメ作品はいくつかあれど、ここまで大成功を収めたパターンは初ではないでしょうか。この映画を見終わって最初に思ったことは、これから井上さんは映画監督としてやっていくのではないかということ。自身が漫画で描いていたことを、動画でこれだけ再現できる才能があるのであれば、2作目、3作目と観てみたくなるというもの。本人としても手応えを感じていたのでは?新人映画監督、井上雄彦さんの今後に期待です。

【ネタバレ・感想】新たなスタートを切るために必要なエピソード『特別編 響け!ユーフォニアム ~アンサンブルコンテスト~』

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タイトル:特別編 響け!ユーフォニアム ~アンサンブルコンテスト~ 
監督:石原立也 脚本:花田十輝 音楽:松田彬人
キャラクターデザイン:池田晶子
キャスト:黄前久美子/黒沢ともよ、高坂麗奈/安済知佳 他
配給:松竹 公開日:2023年8月4日 上映時間:57分

夏の吹奏楽コンクールと並ぶ、アンサンブルコンテスト(通称:アンコン)の魅力は、1グループ数人による熱い演奏だ。アンコンの京都府大会への出場を目指し、久美子が所属する北宇治高校吹奏楽部は、校内予選によって代表チームを選出することになった。しかし、部員が50人を超える北宇治高校吹奏楽部では様々な問題が発生。進級し部長となった久美子は、無事に校内予選をやり遂げるべく奮闘する。

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劇場版というよりもTVシリーズに近い感覚

 これまでのユーフォの映画は、TVシリーズを劇場版としてまとめたものであったり、長尺の新作として制作されていきましたが、このアンサンブルコンテストについては、TVシリーズ第3期の前段のお話。尺としては1時間弱ですので短く感じるかと思っていましたが、久美子のモノローグでは新部長としてうまくやっていけるかどうかの不安が度々語られるものの、傍から見れば良く出来た新部長の活躍が描かれていて、むしろその活躍っぷりを楽しむのがこの作品の本質だったのかもしれません。さらには、宇治北高校の日常が再び楽しめましたので、満足な1時間弱でした。大事が起こるわけでもなく、ヒリヒリする場面がある訳でもない。さらにはクライマックスでの演奏シーンがとんでもないクオリティってことでもない。感覚としては、TVシリーズの丁寧な日常の描かれ方が引き継がれていて、TVシリーズを2話分観た感覚に近かったでした。ひとつの映画作品としては物足りないかもしれませんが、再びユーフォのアニメが作られたということにおいては大きな意味がある一作であることは間違いありません。

 

新たなスタートを切るために必要なエピソード

  前述した通り、かつてのTVシリーズの延長線上の作りであったことは、ブランクを埋めるため、新たなスタートを切るために必要なエピソードであったのではないかと思います。そのブランクを生んでしまったあの出来事。あの事件がなければと思わずにはいられず、当時の犯行前の映像を見るたびに、この人間をどうして止められなかったのかと、どうすることもできないことが分かっていても、そう思ってしまう、やるせない思いばかりが募ります。


みぞれはもういいんじゃないか?

 8月20日に新宿ピカデリーにて鑑賞したのですが、3年生チーム(東山奈央さん・種﨑敦美さん・山岡ゆりさん[司会担当]・藤村鼓乃美さん)の舞台挨拶付き上映でしたので、少しその感想を。3年生チームの登場シーンはごく僅か。とはいえ、いろいろなエピソードを聞くことができました。アフレコは、映画を観れば分かる通り、4人一緒にいるシーンはなかったので、4人一緒には収録はできず。東山さん・山岡さん・藤村さんの3人は一緒で、種﨑さんは黒沢さんと。3人のシーンは、OGをアンコンに誘うシーンで、種﨑さんと黒沢さんのシーンは、窓を開けてもらうシーンです。このシーンについてそれぞれ語られていて、吹奏楽部のOGをアンコンに誘うシーンでは、夏紀が優子に向かって「アンタと一緒がいいって言ってんの!」と逆のことをテストで言ってしまうNG?(心のなかではそう思っている?)があったそうです。そして、それを言われたことに気付かなかった山岡さんと、台本の表紙に「なかよしアドリブ」と書き込んだ東山さんまでがこの話のセットです。窓を開けてもらうシーンでは、みぞれが久美子に「窓、開けるのが上手いね」と、らしい印象的なセリフを言ってしましたが、そのセリフについては物理的・心理的(久美子の後輩に対しての接し方について?)の両面で解釈されていたようです。最後に、個人的に印象的だった話として、みぞれの演じ方について。今回の種﨑さんの演技について鶴岡音響監督から「みぞれはもういいんじゃないか?」と言われた話がとても印象的でした。このアドバイスにより、あの演技になっているというのは、さすがの理解力と演技力だなと思うばかりでした。


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