輝きが向こう側へ!

輝きが向こう側へ!

思いついたことをそのまま記事にしている何の脈略もないブログです。アニメやゲームの感想等を掲載。

【ネタバレ・感想】ドキュメンタリーから、現実世界でのラブライブのストーリーへと見方が変わっていった『Aqours Documentary』

TOP > 各種レビュー目次 > 映像作品関連

タイトル:Aqours Documentary
キャスト:Aqours
配給:バンダイナムコフィルムワークス
公開日:2025年9月26日 上映時間:1時間54分

オールメディアプロジェクトとして各種媒体で展開し、メンバーの声を担当するキャストによるリアルパフォーマンスでも話題となった「ラブライブ!」シリーズの第2作『ラブライブ!サンシャイン!!』に登場する9人組スクールアイドルグループ・Aqours(アクア)。2025年6月21日・22日、これまでの彼女たちのライブイベントの集大成として、キャスト9人による最後のワンマンライブ「ラブライブ!サンシャイン!! Aqours Finale LoveLive! ~永久stage~」が埼玉・ベルーナドームで開催された。本公演は、現地、ライブビューイング、配信を合わせ2日間で10万人を動員。このフィナーレライブまでの3か月間に密着し、2015年6月30日の結成から10年間を駆け抜けた彼女たちの想いを、当時の映像を交えて描き出す最初で最後のAqoursドキュメンタリー。

MovieWalker



これまでの出来事の答え合わせ

 本作はAqoursのフィナーレライブまでの3か月間を追ったドキュメンタリー作品ということでしたが、実際に観てみた感想としては、AqoursメンバーやAqoursを支えているスタッフのインタビューを交えての約10年間の活動の振り返りであり、これまでの出来事の答え合わせと言えるものでした。1stライブの『想いよひとつになれ』であったり、3rdライブの『MIRACLE WAVE』といった印象的な思い出深いシーンもあれば、μ'sについては話してはいけない時期があったこと、総選挙システムに対してのキャストの苦悩。さらには、本来であれば表に出さないような裏事情までも見せてしまっていますので、人によっては見たくなかったという場面も終盤にはあったかもしれませんが、個人的には薄々気づいていたところもあったので、ショックを受けるということはありませんでした。やっぱりそうだったかという、それこそ答え合わせなのだと感じました。

 適応障害を持つ高槻さんの状態について、フィナーレライブに至るまで大丈夫だったのだろうかと心配していたのですが、やはり状態はよろしくはなかったようで、リハ中での状況が映像に収められていました。改めて映像として見てしまいますと、リアルなパニック症状が見て取れて、この状態ではさすがにステージには立てないし、立たせることはできないなというのが正直な感想でしたが、翌週にはリハに復帰し、その後、取材を控えた2週間ほどという短い期間で復調されたのには驚かされました。

 フィナーレライブに向けて、メンバーがひとつにならないといけない中、実際にはそうではなかったという事実。1つの目標に突き進んでいた状況から、コロナ渦に入り、目標を見失ってしまってからAqoursの在り方が変わっていったことが大きな分岐点だったのでしょう。本来ドームツアー後にフィナーレを迎えるはずが、それができず、新たな目標として10年続けることを選択することに。これにより生まれたものもあるので、どちらが良かったかどうかは判断がつきませんが、続けたことにより、それぞれの考え方や方向性もまた変わっていったのでしょう。それでも、想いをひとつにという気持ちを胸にステージに挑む姿に、現実世界でのライライブのストーリーとして観てしまい、ドキュメンタリーからドラマへと見方が変わっていったのでした。フィナーレライブ終演後の2年生の3人を待つ6人の姿は様になっていて、3人が6人の元へと向かう一連の流れが本当に絵になりすぎている。役を演じずともその役の佇まいになってしまう境地にまで最後に至ったのだなと感じられたのでした。

 最後までこの作品を見たことで、フィナーレライブを行うことは単なる区切りではなく、キャスト側としてのラブライブ!サンシャイン!!のストーリーの終着点として必要だったのではないかと気づかされました。限られた時間だからこそ、みんなで邁進できたということもあったでしょう。それが幸か不幸か邁進したまま終えるタイミングを逸したことにより歪がうまれたものの、このフィナーレライブがあったことでまた1つになれた。そこにラブライブらしいドラマが生まれたのは興味深い現象と言えます。



あの方の話も聞けるものなら聞きたかった

 Aqours9人にインタビューしているものの、ドキュメンタリーをドラマチックに構成する上での都合なのか、言ってはいけないことを言ってしまっていたのか?出番が少なかった小宮さんと諏訪さん。小宮さんはフィナーレ後の、自分が出演するわけでもないのにAqoursのメンバーが出演するライブのリハに遊びに行ったりしたエピソードを聞く機会があったものの、諏訪さんについてはそもそも口数が多いタイプではないので、もうちょっと話を聞きたかったなと思うのでした。あとは、スタッフ関連だと畑亜貴さんのインタビューがなかったこと。最重要人物だと思うのですが、歌詞にすべてのメッセージが込められていると解釈すれば、わざわざ話すことは無粋なのかもしれません。しかしながら、ご本人の口から何か欲しかったなという気持ちはこの作品を観ていて思ったのでした。

 

限られた時間の中だからこそ輝くもの

 ラブライブはシリーズ化し、それぞれのシリーズが並行して動いているという状況に。本来であれば、本流としてμ's→Aqours→Liella!と世代交代していく流れであったと思いますが、コロナの影響によりAqoursは継続し、Liella!と同じ時代に活動し続けることになりました。結果的には、ラブライブシリーズとしての活動を広げることになり、合同曲で大バズりするという思いがけない状況を生むというのは、何が功を奏すのか分からないものです。普通に世代交代をしていき、それぞれのシリーズが単独に進む形で、ラブライブシリーズという概念が大きなものにならなければ、こういった状況を生むことはなかったでしょう。しかし、とはいえなのですが、この作品を観て大きく感じたのは、スクールアイドルとしての「旬」というものです。μ'sが全盛期に何故活動を止めるのかと思っていたのですが、続けることにより「プロフェッショナル」になることが、スクールアイドルとしての一過性の熱というものが次第になくなっていくことになるであろうことに、改めて気づかされました。これはステージに立つ側も、それを見守る側もそう。そういった意味では、リアルタイムで進行し、キャストも卒業していく蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブは理にかなっているのだと思いました。スクールアイドルというものは、限られた時間の中だからこそ輝くものなのだと、その本質について改めて考えさせられた作品でありました。


©HUURAI | このブログについてプライバシーポリシー