輝きが向こう側へ!

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思いついたことをそのまま記事にしている何の脈略もないブログです。アニメやゲームの感想等を掲載。

【感想】女の子が目の前にいるという実在感『サマーレッスン:宮本ひかり』

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タイトル:サマーレッスン:宮本ひかり
ジャンル:VRキャラクターコミュニケーション
メーカー:バンダイナムコゲームス ハード:プレイステーション4
発売日:2017年5月25日 価格:7,600円(税別)

【PS4】サマーレッスン:宮本ひかり コレクション (VR専用)

【PS4】サマーレッスン:宮本ひかり コレクション (VR専用)

 

 

 『サマーレッスン』は、プレイヤーが家庭教師となって、勉強を教えたり、コミュニケーションをとるPSVR専用ゲーム。配信当初は、近視の人がメガネを掛けなかったときの様なぼやけた映像でしたが、アップデートにより改善。さらにはPS4 PROに対応し、そちらであればさらに高画質で楽しめるようになりました。

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 教え子である女子高生宮本ひかりと初対面するシーン。女の子が目の前にいるという実在感にインパクトを感じ、人は見た目と音と経験で大体のことを察知していることに気付かされました。映像であると分かっているのですが、経験が大きく作用して、目と音で過去のシチュエーションを思い出し、その時の感覚が呼び起こされるのでしょう。実際に側に居るわけでもないのに、女の子が近付いてくるとその場に居るかのよう。PSVRで実際にプレイしてみないことには得られない感覚。やめどきが見つからず、初プレイで一通りプレイ(1時間ほど)してしまいました。ゲームとしては軽い感覚で楽しめるのですが、これに中身が伴ってくると現実世界に戻れなくなるかも。PSVRならではのゲームかつ、恐ろしい魅力を伴ったゲームでありました。

 1週間のレッスン(選択肢によりパラメーターの上がり幅が変わる)でパラメーターを上げて、その結果によりランク分けされ、そのランクに応じてエンディングが変化。1回目のプレイではどう頑張っても最高ランクには届かないのですが、レッスンを重ねることでレッスンレベルが上がり、それに伴ってパラメーターの上昇値も上がりますから、高ランクエンディングを迎えるのには周回プレイが必須となります。プレイするたびに貰える話題カードを活用することでさらにパラメーターが上昇しますので、プレイするほどに難易度が下がるのは良いのですが、ランダムでイベントが起こるものの、選択肢が固定で、同じ会話が続いてしまうのは難点。(スキップ可)立て続けにプレイするのには不向きですから、たまにプレイするぐらいが丁度良いのでは。

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 VRの立体視の特徴として遠くの対象物に対してはあまり立体感が得られないことと、自ら視点を動かす分には感じられないのですが、勝手に視点が動くと酔ってしまうということの2つの難点が挙げられます。この難点に対して、パーソナルスペースがお互い近くなる個人レッスンを題材にしたことで、VRゲームの最適解を導き出しています。反面、移動できるスペースが狭く自由度が低いのですが、シチュエーションを楽しむゲームですのでこれで問題ないと思います。ただ、喫茶店・部屋・神社の3つのスペースの行き来だけですので、動きが限定的なだけに風景のバリエーションが欲しかったなと。

 

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 ダウンロードコンテンツとして、追加体験パック『セカンドフィール』『デイアウト』(各1,490円)、エクストラシーン『喫茶店編』『花火大会編』(各1,180円)をそれぞれ配信。パッケージ版にはこれら全てが含まれているのですが、基本ゲームパック(2,980円)と、このダウンロードコンテンツ全てを購入した場合、8,320円に。ゲームとしてのボリュームが少ない割には高額。しかし、新技術への出資という意味合いで全て購入してみました。『セカンドフィール』は、蚊に刺された跡に痒み止めを塗る、ケーキの食べさせあいをする、1週間の期間でどうやってそんなに親密になった!?という内容。『デイアウト』は神社でのレッスン。今までが室内でしたので室外は新鮮でした。エンディング後の後日談も追加されます。それにしても、バットの素振りや腹筋が勉強に何の役に立つのやら。『喫茶店編』は文化祭でのメイド喫茶の練習に付き合うというもの。メイド喫茶に訪れた気分を味わいたいなら。『花火大会編』は線香花火をしたり、花火大会の様子を眺めたりと、夏らしさを楽しみたいなら。

 ゲームとしてはボリューム不足の面は否めませんが、そもそもVRゲームの実験作として作られていたので、ゲーム性が弱いのは致し方なし。この技術をさらに発展させていけば、既存のゲームとは異なるVRならではゲームが誕生するのではないかと大きな可能性が感じられました。今後もこのシリーズが続くようですので、新たな発見が見つかることに期待したいです。

【ネタバレ・感想】コロニー落としの惨劇をミニマムな視点に落とし込むことで実感が『機動戦士ガンダム THE ORIGIN V 激突 ルウム会戦』

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タイトル:機動戦士ガンダム THE ORIGIN V 激突 ルウム会戦
制作会社:サンライズ
総監督:安彦良和 演出:江上潔、カトキハジメ
キャラクターデザイン:安彦良和、ことぶきつかさ
メカニカルデザイン:カトキハジメ 、山根公利 、明貴美加 、アストレイズ
音楽:服部隆之
キャスト:シャア・アズナブル/池田秀一、セイラ・マス/藩めぐみ、他
配給:松竹 公開日:2017年9月2日 上映時間:80分

機動戦士ガンダム THE ORIGIN V 激突 ルウム会戦 (メーカー特典なし) [Blu-ray]

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宇宙世紀0079年。人類は宇宙ですら戦場に変え、ジオン公国軍は、世界人口の半数を死に至らしめたブリティッシュ作戦・コロニー落としを実行し突き進んでいた。一方、劣勢を挽回すべく圧倒的な戦力で挑む地球連邦軍。そしてその裏では、ザビ家の陰謀が交錯する。変えがたい運命に翻弄されるセイラ・マス(声:潘めぐみ)、ジオン軍のパイロットとなってしまったランバ・ラル(声:喜山茂雄)やハモン(声:沢城みゆき)、サイド7で平穏に暮らすアムロ(声:古谷徹)やフラウの日常生活にも暗い影が訪れようとしていた。そんななか、復讐に駆られたジオン軍のエース、シャア・アズナブル(声:池田秀一)の「赤い彗星」としての伝説が誕生する……。

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 『機動戦士ガンダム(1979)』のキャラクターデザインを手がけた安彦良和さんがガンダムをコミカライズ。その『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の中のエピソード『シャア・セイラ編』がアニメ映画化され、それが好評だったことを受けて製作されたのがこの『ルウム編』です。前後編に分かれていまして、本作は前編となります。

 ガンダムのナレーションでお馴染みの「人類の約半数を死に至らしめた」と語られたブリティッシュ作戦。宇宙空間での居住地であるスペースコロニーを地球に落としてしまうという無茶苦茶な作戦。ジオン公国に敵対したサイド2の8バンチコロニー アイランド・イフィッシュ。ランバ・ラルの部隊が先行して攻め込むも、敵の戦力はわずか。作戦は成功するも、一方的なやり口に嫌気がさしたラルはこの作戦から降りることに。その後、別の部隊により、コロニーに核パルスエンジンを装着。コロニー内に毒ガスを散布。このコロニーを地球連邦軍の基地がある南米ジャブローに向けて投下するのでした。言葉で説明すると簡単で、これまでのガンダムシリーズでも何度も描写されてきたコロニー落とし。常軌を逸した悪行ではありますが、当たり前の様に見慣れた光景に。しかし、本作ではこのコロニー内でのエピソードが挿入されています。ジオンに抵抗する民兵のユウキと、その恋人ファン・リー。ことが大事過ぎて、大惨事にも拘らず実感が湧かないコロニー落としの惨劇を、ミニマムな視点に落とし込むことで、実感を湧かせるという。よくある演出ですが、観ていて辛い気持ちに。その演出にまんまと引っかかりました。

 『機動戦士ガンダム』はブライト・ノアの物語との解釈から、ブライト・サーガと呼ばれることがありますが、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の場合は、ランバラル・サーガと呼べるのでは。ブリティッシュ作戦で「悪魔の所業だ!」とドズルの命令に背いて2階級降格。中佐から大尉に。己の信念に基づいて行動する姿は1作目から変わらず。愛人であるハモンとの関係性がこれまで描かれてきましたが、それは本作でも。予備役兵となりハモンの店でいつもの様に酒を浴びるラル。そこにはかつての部下達が。ルウム戦役に出陣する皆を見送るのでした。その後、諜報員となったタチが登場。酔いつぶれたラルに変わりハモンが話を聞くと、キシリア配下の者がここにやってくるとのこと。話の最中に早くもその者たちが。ラルが連行されそうになるもハモンの一喝により、あっけなく退散。そして、ハモンは気持ちを晴らすかのようにピアノの弾き語りを始めたのでした。この場面、演出として回想シーンを入れることが多いと思うのですが、そういうことは全くせず、弾き語りをするハモンをそのまま映し、タチがグラスにウイスキーを注ぐなど、回想シーンそのものを挿入せず、視聴者側が勝手に回想する間があるのが良かったなと。ラルとハモンの行く末を知っているだけに、勝手に心に染みるシーンとなりました。

 上映後、丸の内ピカデリーでの舞台挨拶の模様をライブビューイングで鑑賞。登壇されたのは、シャア役池田秀一さん、ギレン役銀河万丈さん、アムロ役古谷徹さん、カイ役古川登志夫さん、そして、安彦良和総監督の5名。司会進行は、『THE ORIGIN』のイベントではお馴染みの森雄一さん。ベテラン揃いの渋いキャスティング。池田さんは赤色ではなく、何故だか百式カラーの黄色いシャツ。皆さんで『生き残り』と称されていましたが、38年も前の作品のオリジナルキャスト、スタッフが集結するとは凄いもの。ライブビューイングをされるのも納得。当時、安彦総監督はアフレコ現場に足を運んでいなかったそうで、銀河さんについては本作で初対面だったそうです。その際に「まんまじゃねえか!」と思われたそうですが、確かにそのままギレン役でもおかしくない凛々しい顔立ちの方なのです。本作では、アムロとカイが少しだけ登場していたこともあって、古谷さんは『脇役のアムロ』と自己紹介。主役を演じたいと、『ルウム編』以降の展開に期待されていました。それに対し池田さんは、もう1作主役をやらせてくださいと古谷さんにお断わりを。古川さんについては、ガンダムは自身の代表作であると話されていたのが印象的でした。

 フォトセッションを挟み、最後には銀河さんによる演説付きの「ジーク・ジオン!」の掛け声で締め。スピーカー越しでも分かる音圧と、硬質かつ気高い声にはしびれました。皆さんが降壇された後、スクリーンに映し出されたのは満員御礼の画像。撮影しても良いとのことでしたので撮影しましたが、この4人が並び立つ姿に違和感が。次回作は2018年5月公開とのこと。本作の最後が、シャアが連邦艦隊に突撃するシーンで終わってしまいましたので、その続きと、さらにその続きを楽しみにしたいと思います。

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【ネタバレ・感想】かつて聴いていたラジオドラマにまた出会えたような感覚『きみの声をとどけたい』

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タイトル:きみの声をとどけたい
制作会社:マッドハウス
監督:伊藤尚往 脚本:石川学
キャラクターデザイン:青木俊直 音楽:松田彬人
キャスト:行合なぎさ/片平美那、矢沢紫音/三森すずこ、他
配給:東北新社 公開日:2017年8月25日 上映時間:94分

海辺の町、日ノ坂町。この町に暮らす行合なぎさ(声:片平美那)は、将来の夢が見つからず、少し焦っている16才の少女。“言葉にはタマシイが宿っているんだよ、コトダマって言ってね……”。ある出来事がきっかけで、小さい頃に祖母から聞いたコトダマの話を、なぎさは信じていた。そんなある日、何年も使われていないミニFMステーションに迷い込んだなぎさは、ちょっとした出来心からDJの真似事をする。すると、偶然放送されたその言葉は、思いもかけない人に届いていた……。

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 NHK-FMの青春アドベンチャーのラジオドラマをそのままアニメにした様な、ど直球で手堅い青春物語。昔、ふと聴いたラジオドラマ。世間的には全く知られていないのだけれども、個人的にとても大好きで今でも記憶に残っている、そんなノスタルジーを感じさせる絶妙な出来。『ラジオ』を題材にしているのもまた、昔を思い出されます。少女達が、ラジオ番組のいろはを全く知らない中で、手探りでラジオの形を作っていく過程を見るにつけ、ラジオ視聴者にとっては、ラジオ番組ってこういうものだよねと感じられるのが面白いポイントでは。言葉には力が宿るという『言霊』が物語のキーに。この言霊についてはファンタジックな演出で表現されていますが、基本的には現実的な現代劇です。舞台である湘南の町並みが丁寧に描写。坂道があり、商店街に江ノ電が走り、江ノ島から望む海が広がる。登場人物たちが行き交う風景を見るだけでも楽しめる作りでした。

 レコードであったりラジオカセットといった懐かしのアイテムが登場。しかしこれらを普通に扱えてしまう高校2年生の少女達。聞きかじった知識があることを前提に使えていたのですが、尺の関係でそうしたのでしょうか。自分の世代でもレコードプレイヤーを使ったことが数回しかなく、うまく再生できる自信はありません。知らないものとして、1回失敗させてみたほうが、観る側の共感を得られたのかなと思ったり。これは知ってる人・知らない人両方にとって、フックになる演出が挟めたのではないかなと、勿体無さを感じたのでした。

 この作品ではキャストオーディションが大々的に行われ、そこで選ばれた6人の新人声優の方々が、この物語に登場する少女7人のうち6人を担当されています。確かにまだ不慣れな感じはあるのですが、元々素養があるのか、それともレッスンで上達したのか、新人達の演技で台無し、なんてことにはなっておらず、物語を楽しむことができました。今後の活躍に期待したいところです。主役の娘の演技・声が某サーバルちゃんに似ていて、尾崎さんが主役だっけと勘違い。それはともかくとして、まっすぐな声が役に合っていたなと感じました。

 上映終了後に拍手が。その後、舞台挨拶が行われましたのでその時の模様を。司会の方に続き、主要キャストを務めた声優ユニット『NOW ON AIR』の6人が登壇。正直なところ、ユニット名と大々的にオーディションが行われていたことぐらいしか知らず、初めは、誰が誰役なのだか判断がつかない状況でした。自己紹介の際に役名を聞き、ようやく理解。舞台挨拶恒例の何回見たかのアンケート。拍手での回答。自分の様に初見の方もいれば、何回も観られている方も。舞台挨拶を一緒に回られている方もいるのでしょうね。舞台挨拶の内容としては、好きなキャラクターやシーンについて語られました。好きなキャラクターでは土橋雫が大人気。その後、舞台挨拶だけには留まらず、挿入歌『Wishes Come True』の披露も。映画を観たあとすぐに生歌が聴けるとはうれしいかぎり。それぞれ、おそらくイメージカラーなのであろう色の歌詞カードを持たれていたのですが、確認程度であまり見ていなかった様子。基本的には前を向いて歌われていました。生歌でありながらしっかりした合唱。観客に伝えようとする意識は、浜須賀夕役の飯野美紗子さんが一番高かったように見えました。


 つくづく思うことは、『NOW ON AIR』の皆さんの本格的なデビュー作がこの作品で本当に良かったなということ。興行的にはどうなのか分かりかねますが、この作品を観たことで清清しい気持ちになり、さらには彼女らを応援したくなる時点でプロジェクトとして大成功なんじゃないかと思いました。このプロジェクトは第2段も行われるそうで、次回作が今から楽しみです。

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