輝きが向こう側へ!

輝きが向こう側へ!

思いついたことをそのまま記事にしている何の脈略もないブログです。アニメやゲームの感想等を掲載。

【ネタバレ・感想】原作通りの展開も、想像を超える迫力の映像『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』

TOP > 各種レビュー目次 > 映像作品関連

タイトル:機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ
制作会社:サンライズ
原作:富野由悠季、矢立肇
監督:村瀬修功
キャラクターデザイン:
PABLO UCHIDA
総作画監督:
恩田尚之、中谷誠一
音楽:澤野弘之
キャスト:ハサウェイ・ノア/小野賢章、ギギ・アンダルシア/上田麗奈、ケネス・スレッグ/諏訪部順一 他
配給:松竹ODS事業室
公開日:2021年06月11日 上映時間:1時間35分

シャアの反乱から12年後、混乱状態の世界では断続的に軍事衝突が発生していた。そんな中、地球連邦政府の腐敗に対抗し、反地球連邦政府組織「マフティー」が始動する。そのマフティーを率いるのは、かつて一年戦争にも参加したブライト・ノアの息子、ハサウェイ・ノアだった。連邦軍大佐ケネス・スレッグや、謎の少女ギギ・アンダルシアとの出会いが、武力による抵抗を画策するハサウェイの運命を変えていく。

MovieWalker



 もう随分と昔に小説版を読んだきりでしたが、映像化されることはもうないだろうと思っていた『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』が3部作で映画化。正直なところ、かなり暗い話ですので、映画にしたところでエンターテイメント性に欠けるのではないかと懸念していましたが、それは杞憂に終わりました。

 

原作通りの展開も、想像を超える迫力の映像
 記憶通りであれば原作通りの展開。ケネスのキャラクターデザインがかなり変わりはしましたが、各キャラクターの性格はそのままだと感じました。しかしながら、戦闘シーンは、想像を超える迫力の映像。アニメ映像としてのモビルスーツ戦というよりも、実際の戦争映像としてのモビルスーツ戦に見える演出をされていました。市街地でのモビルスーツ戦から逃げ惑う人の視線で追っているので、撃墜されたモビルスーツに当たってしまうのではないか、攻撃時の破片が飛んでくるのではないかという緊張感。それでいて音にもこだわりを感じる作り。これは映画館の大スクリーン、音響だからこそ楽しめる醍醐味がありました。今回は通常の上映で見たのですが、この絵作りからして4DX向きだと感じました。後日、4DXで鑑賞。中盤・終盤のモビルスーツ戦ではグワングワンと席が揺れっぱなしでした。

 原作小説は、小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』の続編なのですが、本作については劇場版『逆襲のシャア』の続編となります。本作に関わる大きな違いとしては、本編中でも話に出てくる、過去に撃墜した一機のモビルスーツが、α・アジール(クェス搭乗)か、リ・ガズィ(チェーン搭乗)かの違い。この違いがハサウェイの運命に変化を与えるのか、与えないのか。2作目以降が気になるところであります。


見ておいた方が良い過去作品
 『逆襲のシャア』の続編となるので、内容をより理解する為に見ておいた方が良い過去作品があります。

<主なタイトル>
△機動戦士ガンダムORIGIN
◯機動戦士ガンダム
X機動戦士ガンダム0080
X機動戦士ガンダム0083
◯機動戦士Zガンダム
△機動戦士ガンダムZZ
◎機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
X機動戦士ガンダムUC
X機動戦士ガンダムNT

 閃光のハサウェイ以前の、主だったタイトルを時系列順に列記するとこうなります。UCとNTが時系列としては近いですが、本作との関係性が薄いので見なくても問題有りません。とりあえずは、逆襲のシャアさえ見ていれば良いとは思いますが、ここでアムロとシャアの過去が気になったとしたら、ガンダムORIGINからガンダム(1st)、そしてZガンダムと過去にさかのぼっていくのも良いでしょう。時間があればZZもとなりますが、キリがない!やっぱり逆襲のシャアだけで良いと思われます。


『逆襲のシャア』のキャスト再登板
 前作である『逆襲のシャア』から再登板となるキャストが4名。

・アムロ・レイ      :古谷徹
・クェス・パラヤ     :川村万梨阿
・ハンドリー・ヨクサン  :山寺宏一
・ゲイス・H・ヒューゲスト:佐々木望

 『逆襲のシャア』では、ハサウェイ・ノア役の佐々木望さん、ギュネイ・ガス役の山寺宏一さんが別役としてキャスティング。正直なところ、出演されるのであればハサウェイ役は佐々木望さんが続投で良かったのではないかと思ってはいましたが、実際映画を見てみたところ、ハサウェイの冷酷になりきれないところ、ナイーブさを表現するのであれば、今であれば小野賢章さんで良かったのかなと考えが変わりました。そんな中、30年以上の時を経て、以前と同じ役を演じる古谷さん、川村さん。ガンダムシリーズはゲームで同じ役を演じる機会が多いとは言え、前作との時を繋げるリングになってくれました。

 『逆襲のシャア』のキャストの皆さんと、ご時世的に一緒にアフレコするということはなかったのでしょうが、もし一緒にということであれば、当時を知る人がいる意味合いは大きかったものと思われます。


既に答えが出てしまっている、のだろうか
 タクシーでの移動中、ハサウェイと運転手との会話。今を生きるのに精いっぱいな運転手に、ハサウェイが、1000年先のことを考えているんじゃないかとマフティの活動について説明すると、運転手は、そんな先のことを考えるなんて暇なんじゃないかと一般市民の感情を伝えて、それに対して、その当事者であるハサウェイは気分を悪くするという。見方次第では面白いシーンではあるのですが、この時点で行く末を暗示しているので、自分にとっては辛いシーンに写りました。既に「答え」がここで出てしまっているのがね。やろうとしていることに大義はあるのだろうけれども、結局、大衆から望まれてもいないし、終焉にしか辿り着かないやるせなさ。全てを観終わった後に何が残るのだろうか。残るものがあるのだろうか。結末を知っているだけに、やっぱりやるせない。それが小説版『閃光のハサウェイ』という作品なのだけれども、それがどう転ぶかどうか、まだ劇場版は分かりません。

©HUURAI | このブログについてプライバシーポリシー