横山智佐のサクラ大戦 20歳の誕生日会
開催日:2016/09/25
開場12:30 開演13:00
会 場:花やしき座(東京都)
料 金:5,000円(入園料含む)
出演者:
横山智佐(真宮寺さくら役)、西原久美子(アイリス役)、伊倉一恵(レニ・ミルヒシュトラーセ役)、陶山章央(大神一郎役)、園岡新太郎(団耕助役)、西村陽一(西村ヤン太郎役)、ベロ武田(ベロムーチョ武田役)
丁度東京に訪れるタイミングにサクラ大戦のイベントが花やしきにて開催されると知り、サクラ大戦20年目にして初めてイベントに参加してみることにしました。ゲームはもちろんのこと、歌謡ショウにも興味があったのですが、当時は時間はあってもお金は無く、今になって参加できるとは有り難い話です。
初めて花やしきの中に入ったのですが、狭い通路に人が一杯。休日で天候も良かったこともあってか大盛況でした。噂には聞いていましたが、狭い敷地に各種アトラクションがせせこましく配置されていました。海外様式のテーマパークが主流の中、これほどまでに日本的な遊園地が現存しているとは、実際この目にして驚きでした。
フードコートでサクラ大戦コラボドリンクが発売されていました。さくら(サクランボ味炭酸飲料)・マリア(グレープ味飲料)・すみれ(グレープティー)・アイリス(乳酸菌飲料)の全4種類がコースター付で各850円。自分はさくらを選択。炭酸水+サクランボジュースに、サクランボ2つをトッピングしたもの。飲んでみましたら、上側の炭酸水だけを飲んでしまい、甘くないなと思った後、下側の甘々なサクランボジュースだけを飲むという大失態。これは最初に混ぜなければいけないことを学びました。
開場時間になりましたので花やしき座へ。中に入るとすぐ目の前に座席が。その上には紙袋が置かれていまして、ペットボトルのお水とポンデフラワー(花やしき内で作られているお菓子)、そしてフライヤーが入っていました。会場を見渡してみますと、さすがに20年の歴史を誇るコンテンツ。年齢層は様々で、コスプレの方もチラホラ。女性の割合が思いのほか高かったでした。
開演時間になり、横山さんが登場し拍手で迎えられました。今回のイベントは金曜日から日曜日までの3日間開催されたのですが、土曜日まではあいにくの空模様だったそうで、今日になってようやく晴天になったそうです。そのおかげの大盛況ぶりだったのですが、その分、ローラーコースターが上がる音「ガタガタガタ…」であったり、「キャー!!!」という悲鳴であったり、外の音が会場内まで聞こえてきました。舞台裏でもその悲鳴が聞こえたらしく、脇侍が現れたか!?かと出撃しそうになる横山さん。その様な環境ということもあって、ライブイベントという形式ではなく、誕生日会という形式になったとのことでした。
横山さんが、お友達の娘さんの誕生会で湯たんぽをプレゼントされたそうで、「これ欲しかったんです」と気を使われたエピソード(持っていなかったということは必要なかった)を話された後、昼公演のゲストの皆さんが登場されました。アイリス役の西原久美子さん、レニ役の伊倉一恵さん、大神一郎役の陶山章央さん、団耕助役の園岡新太郎さん、西村ヤン太郎役の西村陽一さん、ベロムーチョ武田役のベロ武田さんの計6名。伊倉さんの自己紹介の際、「レニ・ミルヒシュトラーセ役の…」とフルネームで紹介されていて、さすがに長年付き添ってきた役の名前、噛まずに話されていました。自分だったら、「レニ・ミルフュ…」と、すかさず噛んでしまうなと思うのでした。
全員揃ったところで、西原さん・伊倉さんが乾杯の音頭を。「みんなでパーティをしよーよ♪」と、アイリスの曲『お花畑』を皆で歌ってからの乾杯。ここで本来であればキャップを空けて水を飲むところですが、なんだか勿体無く感じて、飲む振りで対応したのでした。
最初のコーナーは、出演者の皆さんが選ばれた思い出のシーンを一緒に観るというコーナー。歌謡ショウでの名場面や、ダンディー団の初登場シーン等が流れまして、それについてコメントする形式でした。この映像の中で印象に残ったのが、陶山さんが痩せていて格好良かったということ。まさしく大神隊長といった感じ。今はどうなんだという話になってしまいますが、この違いには驚かされました。違いに対する驚きがもう1つありまして、西原さんから、親方役の中嶋聡彦さんが今はロンゲという衝撃発言が。時を経て生まれるものもあるのですね。(※元々ハゲてはいない)
続いてはサクラ大戦にまつわる3択クイズコーナー。出演者の皆さんが答えるだけでなく、観客側も挙手で答える参加型企画。歌謡ショウでの伊倉さんの正しい台詞や、舞台稽古中にホットプレートで作られた料理等、難しい問題が多かったでしたが、当事者も忘れていることを当てていく観客の皆さんの知識に脱帽でした。
ライブコーナー前に、LINEで届けられた広井王子さんからの祝辞が横山さんにより代読されました。内容としては、アニメイトタイムズでのインタビュー記事と重なるところがありまして、公式として動きをみせられない中で20年続けてこられたのはファンの皆さんのおかげとのことでした。このイベントも公式主導ではなく、出演者側から発案された企画ですし、サクラ大戦を求めるファンの声が生んだイベントと言えます。サクラ大戦1作目が発売された頃に生まれた子がお酒を飲める歳になり、今もなおサクラ大戦の曲が歌い継がれていると広井さん。これに対して横山さんが「それじゃ、歌い継いじゃお~っと♪」と言ったところで、ライブコーナーがスタートしました。
M01:お祭りダンス
(OVA『サクラ大戦 ~桜華絢爛~』挿入歌)
サクラ大戦 ~桜華絢爛~ 光録音館(1998/09/18)より
作詞:広井王子
作曲:田中公平
編曲:岸村正実
歌:横山智佐
M02:ダンディー
(『サクラ大戦 歌謡ショウ「つばさ」』劇中歌)
サクラ大戦 歌謡ショウ「つばさ」(1998/12/18)より
作詞:広井王子
作曲・編曲:田中公平
歌:園岡新太郎
M03:ラムネの歌
(『サクラ大戦 歌謡ショウ「海神別荘」』劇中歌)
新・歌謡全集III(2001/07/25)より
作詞:広井王子
作曲:田中公平
編曲:根岸貴幸
歌:西原久美子
M04:素晴らしき舞台
(『サクラ大戦 歌謡ショウ「紅蜥蜴」』劇中歌)
サクラ大戦 新・歌謡全集(1999/07/07)より
作詞:広井王子
作曲:田中公平
編曲:宮崎慎二
歌:伊倉一恵
M05:甲板フラフラ
(OVA『サクラ大戦 ~桜華絢爛~』挿入歌)
サクラ大戦 ~桜華絢爛~ 光録音館(1998/09/18)より
作詞:広井王子
作曲:田中公平
編曲:多田影文
歌:陶山章央
M06:輝く、銀座ストリート
(『スーパー歌謡ショウ「新編八犬伝」』劇中歌)
サクラ大戦 スーパー歌謡全集「新編八犬伝」(2002/07/17)より
作詞:広井王子
作曲:田中公平
編曲:多田影文
歌:園岡新太郎、西村陽一、武田滋裕
M07:恋の出逢い
(ドラマCD「あぁ、無情。 ~レ・ミゼラブル~(後編)」挿入歌)
あぁ、無情。 ~レ・ミゼラブル~(後編)(2003/05/08)より
作詞:広井王子
作曲:田中公平
編曲:浜口史郎
歌:西原久美子、伊倉一恵
M08:ゲキテイ
(アニメ「サクラ大戦」オープニング)
ゲキテイ(檄!帝国華撃団)(2000/09/28)より
作詞:広井王子
作曲:田中公平
編曲:根岸貴幸
歌:出演者全員
さくらが歌う曲はゆったりした曲が多い中、一緒に盛り上がれる曲をということで歌われたのが『お祭りダンス』。(高乃さんもこの曲を歌っていた様な)コールの掛け合いのパートがありまして、十数年の時を経て実際にコールをすることになるとは人生分からないものです。ちなみにこの曲は元々歌われる予定になかったそうで、伊倉さんからどうしても歌って欲しいとリクエストがあって歌われました。出演者の中からリクエストが入るとは、出演者に愛されているコンテンツだとつくづく感じました。
続いてはダンディー団の3人が登場。園岡さんが歌う『ダンディー』。過去の映像を観るコーナーで、ちょうどこの曲が歌われている映像を観たばかり。今この場で聴けてしまうとはうれしいかぎりでした。伸びやかな歌声は当時と変わらず。しかし、髪は白髪に。これには理由がありまして、舞台『アニー』でルーズベルト大統領役を演じられているとのことで、この髪色なのでした。
園岡さん・武田さんと共に捌けようとする西村さんを引き留めて歌われた『ラムネの歌』。西村さんと一緒なのは、この曲を歌われた歌謡ショウ『海神別荘』でのシチュエーションの再現ですね。15年振りと考えると凄いものです。歌終わりに西村さんが缶ビールと水を持ってこられて、水は西原さんにと思いきや、「そっちがいい!」とビールを取ってしまい、「とりあえず生だね!」と西原さん。これには、今まで歌っていたのは『缶ビールの歌』だったのではないかと錯覚してしまうのでした。
元々はすみれの為に歌われた曲ですが、誰しもスポットライトが当たる瞬間があると思わせてくれる希望に溢れた『素晴らしき舞台』。昔映像で観た際には、曲に感情をそのまま乗せて歌われていた印象がありましたが、この場ではそういったことはなく、力強くも抒情的に歌われていました。感情的な歌い方は心に響きますが、今だから歌えるこの感じもまた素晴らしい。小さな会場が、ここは大ホールなんじゃないかと思えるほど、伊倉さんの世界に引き込まれてしまいました。
もうこれでフィナーレなんじゃないかと思ってしまうほどの『素晴らしき舞台』の後に歌われたのが、陶山さんの『甲板フラフラ』。いつも通り、特にテンションが上がる訳でもなく、何気なくステージから降りて客席の通路を巡りながら、マイペースに歌われていました。陶山さんのこの感じ、変わらなくて良いなと。歌い終わった後に、今回はうまくいったということと、歌とは関係ないのですが、武田さんが居てくれたことに対する安心感を語られていました。いつもは周りが女性ばかりで大変ですから…。
再びダンディー団の皆さんが登場。歌うは『輝く、銀座ストリート』。皆さん相変わらずのキレッキレの動き。『甲板フラフラ』に続いてこちらもステージに降りてこられて、客席に何かを投げ入れられていたのを後から調べましたら、それは包まれたバンダナ(サイン入り)でした。キャッチされた方は宝物になりましたね。
ゲームでも歌謡ショウでも切っても切れない組み合わせ、アイリスとレニの曲『恋の出逢い』。この曲が歌われることは珍しいとのこと。思いがけず、レアな曲が聴けてしまいました。歌詞・曲調共に、巴里花組の曲を思わすもので、帝都花組のイベントではあるものの、巴里花組の空気が少し感じられて良かったでした。
最後はもちろん『ゲキテイ』。ここでは観客の皆さんが全員立ち、ゲキテイダンスを踊るのが恒例ですが、ほとんどの方がダンスをマスターされていたような。その皆さんの出来上がりっぷりをまじまじと見てしまいました。これには、これがサクラ大戦のイベントだなと勝手に感慨深い気持ちに。そのような場に何で自分が居るのだろうと、今まで来られなかったこともあってか不思議さを感じつつ、歌詞が頭に刻み込まれた『ゲキテイ』に、気持ちが高まるのでした。
公式の大きな動きがない状況の中で、横山さんを始めとしたキャストの皆さんがこうしてイベントを開いてくださったことで、初めてサクラ大戦のイベントに参加することができました。今までイベントに参加できていなかった分、その空気を今、感じることができて、感謝感激でした。広井さんがアニメイトタイムズでのインタビューの結びに、「次に何かできるとしたらラスト歌謡ショウ」と答えられていました。ファイナル歌謡ショウから6年。実際に出演者の皆さんのパフォーマンスをこの目で見ることで、ラスト歌謡ショウは不可能ではないと感じました。あとは公式の動き次第というところではありますが、20年目にして、夢の続き、未来が感じられたイベントでした。