輝きが向こう側へ!

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【感想】少年ハリウッド、「いまどき」から外れた難点と魅力

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タイトル:少年ハリウッド
制作会社:ZEXCS 監督:黒柳トシマサ
原作:脚本・シリーズ構成:橋口いくよ
キャラクターデザイン:土屋圭 音楽:林哲司
キャスト:風見颯/逢坂良太、甘木生馬/柿原徹也、佐伯希星/山下大輝、
     富井大輝/蒼井翔太、舞山春/小野賢章、
     シャチョウ/浪川大輔、勅使河原恭一/新田将司、他
放送局:TOKYO MX他
放送期間(第1期):2014年7月5日 - 2014年9月28日
放送期間(第2期):2015年1月11日 -2015年4月4日

『少年ハリウッド-HOLLY STAGE FOR 49-』vol.1(Blu-ray)

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 劇場『ハリウッド東京』を拠点に活動している男性アイドルユニット『少年ハリウッド』。彼らのアイドル活動を、表面上はバカバカしくも面白く描きながら、1話という括りの中できちんと本質を伝える脚本が実に良い作品です。自分自身が男性なので、男性アイドルに対してカッコイイとかカワイイという感情は湧いてこないのですが、アイドルとして、人間としての成長過程がじっくり描かれていますのでヒューマンドラマとして楽しめました。アイドルアニメが乱立する中、アニメーションや脚本が丁寧な作りで好感が持てる作品です。

 だがしかし、悲しいかな人気はイマイチ。現在発売中の第1期シリーズBD/DVDは平均1,000枚。第1期のオープニング曲である『ハロー世界』は2,000枚弱の売上。この作品が持つポテンシャルを考えますと物足りないレベルです。BDの売上については、通常であれば巻を重ねるごとに売上が下がるものなのですが、どの巻も1,000枚ぐらいの売上。固定ファンに支えられていることが分かります。分かりますが、ファンの母数が足りない。作品自体の出来は良いのに、何故この状況なのか考えてみるとしましょう。

 何故この状況なのか一言で答えてしまいますと『いまどき』な作品ではないからだと思われます。『いまどき』を押さえられていない事で、多くの視聴者の関心から遠ざかってしまったのではないでしょうか。『いまどき』ではない点を、キャラクターデザイン、音楽、脚本の3点から確認してみましょう。


1.キャラクターデザイン
 キャラクターデザインがキリッとしたイケメン系で、可愛らしさはあまり感じられず硬派なイメージです。可愛らしさが主流である『いまどき』のデザインから外れていることで、まずは見た目から受け入れられなかった方が多かったようです。




2.音楽
 音楽を担当しているのは林哲司さん。1980年代、アイドル全盛期の時代に本物のアイドルソングを数多く手がけられていた方です。アイドルソングだけでなく、幅広いジャンルに精通。それが少年ハリウッドの挿入歌に活かされていまして、丸々1話分使って音楽番組を再現した回では、少年ハリウッドの曲とは異なる、女性アイドルや演歌歌手の曲が流れました。個人的には懐かしく感じられる林さんの『歌謡曲』が好きなのですが、そう感じてしまう時点で『いまどき』からは外れているのかもしれません。


3.脚本
 この作品は会話劇で成り立っています。日常の何気ない会話であったり、少年ハリウッドのメンバーとテッシー(マネージャー)やシャチョウ(社長)の会話であったり、場面は違えど、ひとつひとつの会話に意味があります。単純に物語を進めるための台詞ではなく、きちんと相手に思いを伝える言葉になっているところに好感が持てます。しかし、この会話の部分が視聴者側の受け取り方によっては説教臭く感じられてしまうこともあるのではないかとも思います。『いまどき』のライトな人と人との関係性からすると、素直に受け入れられない要素になっているのではないでしょうか。



 この3点、実は自分の中ではデメリットではなく、むしろメリットなのです。キャラクターデザインに関しては、少女漫画的なデザインでしたら逆に見ることもなかったでしょうし、音楽に関しては、かつての王道アイドルソングを彷彿とさせる林さんの曲は自分にとってしっくりきます。脚本についてはこれを楽しみにしているのですから文句はありません。上っ面だけを見れば難点なのですが、よくよく見てみることでそれが魅力的に映る、つまりはこの作品の売りなのです。結局、この作品の本質は見てみないことには分からない。ということで、興味を持たれた方で、もし観る機会がありましたら、是非ご覧ください。基本的にテンションが高い作品ですので、1話からあっけにとられるかもしれませんが、そこさえクリアできればこの作品の本質に出会えるはずです。


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