輝きが向こう側へ!

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思いついたことをそのまま記事にしている何の脈略もないブログです。アニメやゲームの感想等を掲載。

【ネタバレ・感想】96分を怒涛に駆け抜ける感覚『Gのレコンギスタ I 行け!コア・ファイター』

タイトル:Gのレコンギスタ I 行け!コア・ファイター
制作会社:サンライズ
原作:富野由悠季、矢立肇
監督・脚本:富野由悠季
キャラクターデザイン:
吉田健一
総作画監督:
吉田健一、桑名郁朗
音楽:菅野祐悟
キャスト:ベルリ・ゼナム/石井マーク、アイーダ・スルガン/嶋村侑、ラライヤ・マンディ/福井裕佳梨、ノレド・ナグ/寿美菜子 他
配給:バンダイナムコアーツ
公開日:2019年11月29日 上映時間:96分

劇場版『Gのレコンギスタ  I』「行け! コア・ファイター」 (特装限定版) [Blu-ray]

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地球上のエネルギー源フォトン・バッテリーを宇宙よりもたらすキャピタル・タワーを護るキャピタル・ガードの候補生ベルリ・ゼナム(声:石井マーク)は、初めての実習で宇宙海賊の襲撃に遭遇。捕獲に協力するが、捕まった少女アイーダ(声:嶋村侑)に不思議な何かを感じる。そして彼女がG-セルフと呼ぶ、限られた人間にしか動かせないはずの高性能モビルスーツを、何故かベルリが起動させることができてしまう。宇宙世紀終焉後の時代、少年少女の冒険は世界の真相に直進する。

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 映画化の話は常々出ていたものの、なかなか情報公開されない時期がありましたが、TVシリーズ『ガンダム Gのレコンギシタ』の本放送から5年の月日を経てようやく公開されました。全5部作の1作目。副題は『行け!コア・ファイター』。昔のアニメの予告タイトルみたいで、今となっては逆にインパクトを感じます。実のところ、自分はTVシリーズを観ておらず、予習もせずに真っさらな気持ちで観てみることに。
 

96分を怒涛に駆け抜ける感覚
 ファーストガンダム・Zガンダム・ターンAガンダムの様に、TVシリーズの再編集ではあるのですが、総集編的なブツ切り感はありませんでした。しかしながら、一瞬でも見逃すと訳が分からなくなるぐらいの詰め込み具合で、「着いて来られるものなら着いて来い!」とでも言わんばかりのスピーディーな構成。これが、富野監督が公言していたターゲットである小中学生に向けた構成なのか、一言で言えば快活な作りと感じられました。歳を取るほどに、作家という者は説教臭くなるのが世の常。そんな中で、こういった作品が作れるのは、気持ちが若いなと思わされます。正直なところ、少し間が欲しいなと思わなくもないのですが、もうエンドクレジットなのかと、96分を怒涛に駆け抜ける感覚がこの作品の面白さの1つであるのかもしれません。


かつて贔屓にしていたお店が今もやっていた嬉しさ
 ガンダムだけでなく、これまでの富野監督が携わってきた作品の集大成であることは確か。独特な言葉遣い、暗転、キャラのカットイン等々。演出に関しては、自身の使える技が散りばめられた作りになっているので、実に富野監督作品だなと思う場面が多々ありました。見慣れた演出に、晩年の出崎監督の演出を彷彿としてしまい、ちょっと面白く感じてしまう一面があるものの、かつて贔屓にしていたお店が今もやっていた嬉しさみたいなものもまたありました。
 この作品はやっぱりガンダムなんだなと思い出させるかのごとく、ミノフスキー粒子が物語に組み込まれていました。宇宙世紀からこの時代に至るまで名を轟かせているミノフスキー粒子と、『鉄腕アトム』の昭和の時代から『Gのレコンギスタ』の令和の時代に至るまで、同じく名を轟かせている富野由悠季。というのをミノフスキー粒子で暗示させていたのかなと思ってしまったのですが、考え過ぎですかね。


ターンAガンダムの再構築、F91のリベンジなのか
 初見の感想として、話の内容としてはターンAガンダムの再構築。さらには、TVシリーズまで繋げられなかったF91のリベンジといった、遣り残したことを、ここで行っているのではないかと感じられました。戦争物ではあるけれども、皆に観てもらうには娯楽作品に昇華させる必要があり、シリアスとコメディの配分にはかなり気を使われていたのではないでしょうか。ザブングルやZZガンダムほどコメディ寄りにはせずに、かといってくそ真面目にはシリアスにさせない塩梅。物語終盤、Gセルフとコアファイターがドッキングした際に、コアファイターが突っ込むところに整備員がいて、シリアス寄りだったら普通亡くなっているところが亡くなりません。整備員が中にいるまま、Gセルフが高速で動いていても問題なし。ファーストガンダムで、ミサイルの爆風で飛び散ったミハルの立場は一体。とはいえ、紆余曲折あって、Gのレコンギスタの味付けに辿り着いたのだろうなと思うのでした。この映画を観て、気になったらTVシリーズを見始めようかと思っていたのですが、これは新鮮な気持ちで見続けた方が良さそうだと、来年2月の第2作を楽しみに待つことに。

【ネタバレ・感想】観終わった後に感じるモヤモヤの理由は『天気の子』

タイトル:天気の子
制作会社:コミックス・ウェーブ・フィルム
原作・監督・脚本:新海誠
キャラクターデザイン:
田中将賀
作画監督:
田村篤
音楽:RADWIMPS
キャスト:森嶋帆高/醍醐虎汰朗、天野陽菜/森七菜、他
配給:東宝 公開日:2019年7月19日 上映時間:114分

新海誠監督作品 天気の子 公式ビジュアルガイド

新海誠監督作品 天気の子 公式ビジュアルガイド

 

家出し、離島から東京へやってきた高1の少年・帆高。見知らぬ土地でやっとのことで、怪しげなオカルト雑誌のライターという仕事を見つける。しかし、彼のこれからを示唆するかのように、連日雨が降り続ける。そんなある日、帆高は陽菜という少女と出会う。ある事情を抱え、弟と2人で明るくたくましく生きる少女には不思議な能力があった。

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 歴史的大ヒットとなった『君の名は』から早3年。新海誠監督の新作『天気の子』が公開されました。自分は、公開日からしばらくしたタイミングで鑑賞したのですが、観る前に、ネタバレとはいかないまでも、今作ではかつての新海誠が帰ってきただとか、ゲームみたいだとか、そういったフンワリした感想は耳に入っていました。さて、それを踏まえて観た感想は。
 

物語の根底はあるものは今まで通り
 大ヒット作を生んだ影響は大きく受けていて、雨降る東京市内の景色が美しく、現実にある会社名だとか製品名がこれでもかと映り込んでくる。作画のクオリティが上がり、各企業が協賛。これが成功後の作品かとと感じるばかりなのですが、そんなことはお構いなしに、物語の根底はあるものは今まで通りのボーイ・ミーツ・ガールなのでした。ほんと、ブレない。とはいえ、この基本があるからこそ、ある一定層に受けるのだろうなとも納得なのです。


観終わった後に感じるモヤモヤ感
 あえて前作と比べるならば、ゲームで例えると、『君の名は』が何度も何度もプレイしてようやく導き出したトゥルーエンドだったのが、『天気の子』では何の気なしの初回プレイで辿り着いたグッドエンド2な感じ。(トゥルーエンド>グッドエンド1>グッドエンド2)なので、『君の名は』ほどの大団円な感じはせず、観終わった後に何か物足りなさを感じてしまうのでした。男の子と女の子、2人にとってはグッドエンドでも、天気の巫女である女の子を地上に返したことで東京の大部分は水没。さらには、あの拳銃の件はそもそも何だったのかと、思い返してみると、実は何も解決していないのではないか。このままだと、後で2人がとんでもない目に遭うんじゃないかと、何かやりそこねたルートがあるゲームの様な終わり方をしていて、考えれば考えるほどスッキリしない。物語の序盤も序盤、あの船上でのたっかいビールを買うかどうかを自販機の前で悩むところで選択肢が出てきて、それを買わないだけで大きく話が変わってきていたのではないか。終盤での男の子の衝動的な判断に、それはやっちゃいけないだろうと大人の目線でどうしても観てしまいがちだけれども、これはこれで突き進んでOKなんじゃなかろうか等々、考え出すとキリがない。かと言って映画を見直したところで、途中で選択肢が出てくるわけもなく、なんだかモヤモヤするのでした。


いろいろ考えたところで、なんともし難い気持ちは変わりない
 まず観終わって思い出したのが『やるドラ』というゲーム。アニメを観ていくうちに選択肢が登場し、その選んだ選択肢によって物語が分岐していく内容。この『天気の子』に関しては、全編映像が奇麗なので、様々なシーンが意味ありげに見えてきて、ここで選択肢が登場してもおかしくないのではないかと思えてしまう作り。それもあって、ゲーム的に観えた面もありそうです。さらに色々と考えてみたところ、いや、『やるドラ』ではなく、『街』や『428 封鎖された渋谷で』といったサウンドノベルの方が近いのではないかとも思いだしたり。登場人物1人1人がそれぞれの物語を持っていて、その行動如何でそれぞれ物語が干渉しあうパズル的な内容。それを思いついたとき、物語を構成する方法論として、このパズルを組み立ててから物語に仕上げたのではないかという結論に勝手に至りました。本筋は男の子と女の子の話でも、何か裏で動いているような気がする作りがゲーム的に感じるのではないかなと。そして、ゲームとして何かやり損ねた感もそこから来るものではないかとも感じたのでした。ただ、そう結論付けたところでなんともできず。このパズルの組み替え方次第で様々なエンディングを迎えることになるのですが、それができるのも監督だけなので、なんともし難い気持ちは変わりないのです。

【ネタバレ・感想】心機一転、新たな作品に取り組んで欲しかった『薄暮』

タイトル:薄暮
制作会社:Twilight Studio
原作・監督・脚本・音響監督:山本寛
キャラクターデザイン・総作画監督:
近岡直
音楽:鹿野草平
キャスト:小山佐智/桜田ひより、雉子波祐介/加藤清史郎、他
配給:プレシディオ 公開日:2019年6月21日 上映時間:52分

薄暮(はくぼ)

薄暮(はくぼ)

 

福島県いわき市の女子高校生・佐智(声:桜田ひより)は、2011年3月11日に起きた東日本大震災で心に傷を負い、それ以来、友達や家族から距離を置きながら、人にも恋にも無関心に生きていた。佐智は幼いころからヴァイオリンを続けており、高校で音楽部に所属しながら、文化祭で四重奏を披露するため、日々練習に追われている。同じころ、震災で実家が帰宅困難地域となり、いわきに避難してきた男子高校生・祐介(加藤清史郎)は、当たり前の景色が失われてしまう現実を目の当たりにし、“美しい今”を絵画として残そうと描き始める。祐介は、展覧会に出品する夕景画を描くため田園地帯を訪れ、夕映えのなか、佐智と出会う。二人は心の交流を続け、やがて恋へと発展していく……。

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 『山本寛オリジナル作品「薄暮」アニメ制作プロジェクト』というクラウドファンディングの企画が2017年に立ち上がりました。映像演出家として、心機一転してどういった作品が作られるのかと思い、支援してみることに。それからしばらくしての今年6月、試写会が開催されたのですが、それには都合が悪く参加できず。実際に本編を観ることができたのは7月に入ってからとなりました。
 

今を描いた作品ではあるものの、チグハグさが気になった
 上映時間52分。映画としては短編にあたるものでしたが、そう短いとは感じずに観ることができました。そう感じたのは作劇としてまとまっていたからでしょう。部活動と帰路のシーンを交互に配置されていて、構成としては単純ながら頭に入りやすい作り。日常の描き方としても、美麗な風景描写も相まって、リアルな日常とリンクさせてくれるものでした。物語としては、どストレートな青春もの。とはいえ、ここ何年間か続いていた青春ものの映画の流れとは外れたもので、言ってしまえば古めかしい感じの昭和の青春ものに近しいものでした。この手の話、嫌いではないものの、今を描いている作品としては、個人的には何だか引っかかるものでして、LINE的なものや、放射線量測定値のニュース映像といった、今だなと感じさせるものがありながら、言葉のセンスが今時ではないので、チグハグなところが気になってしまいました。監督が考えた物語をストレートに表現するには自身で脚本を担当されるのがベストだとは思いますが、自身の発想だけにはとどまらないものを作るためには、若手の作家さんに任せるか、アドバイザー的なポジションの方を用意したほうが良かったのではないかと感じました。とはいえ、昔ながらのものが好きだという方もいるでしょうし、その辺りの評価は個人の感性によって変わってくるでしょう。


背景描写が美麗で、ご当地アニメとしての説得力を感じる
 いわき市が舞台。自分自身、いわき市には足を運んだことはないものの、田舎の風景については見慣れたもので、アニメなので表現としては可笑しいかもしれないですが、嘘が少ないなと感じるほど、リアルな風景が描かれていました。これは作品タイトルともなっている『薄暮』を描く上で、この風景で感動するものか?という疑問が生まれてしまっては作品として成立しなくなるので、美麗な背景描写が出来ていた時点で作品としては成功したといっても過言ではないと感じました。そしてそれは、ご当地アニメとしての説得力にも繋がります。おそらく、地元の方が観れば、こうも生まれ育った町を丁寧に描写してくれたのかと、感動させられるものであったと思います。


正直余計だなと思ったこと
 本編の通して観た中で気になったのは、監督がかつて携わった作品のセリフパロディがあった点です。『らき☆すた』であった、「くさいよねー」のくだり。これが本編中2回も入れられている。そして、ところどころで登場する見たことがあるようなキャラクター達。心機一転、新たな作品に取り組まれるものと思っていたので、正直余計だなと思いました。これは、人によってはファンサービスになりえるので、それほど気にはならないのですが、一番気になったのは次の点。アニメプロデューサーが憎いことは重々承知ですが、その気持ちをこの作品にわざわざ入れる必要はなかったということです。これらの点は、知らない人からすれば何のことやらとなることばかりですので、真摯に福島の方に向けての作品作りをして欲しかった。その一点に尽きます。


クラウドファンディングの良さと難しさ
 気になった点はありますが、総体的に見て悪い作品ではありません。メインキャストのお2人も、この作品特有の青さを表現するにはハマったキャスティング。サブキャストが有名どころの声優さんなので、その辺りの台詞の掛け合いは安心して眺めていられる。ただ、個人的に気になる点があるだけで、観る人が観れば、何も気にすることなく純粋に楽しめる作品になっていることでしょう。自分自身にとっては、クラウドファンディングで作られる作品の、良さも難しさも知ることが出来た作品となりました。