輝きが向こう側へ!

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輝きが向こう側へ!

思いついたことをそのまま記事にしている何の脈略もないブログです。アニメやゲームの感想等を掲載。

【ネタバレ・感想】シラフじゃつまらん、酔ったもの勝ちの『夜は短し歩けよ乙女』

タイトル:夜は短し歩けよ乙女
制作会社:サイエンスSARU
原作:森見登美彦 監督:湯浅政明 脚本:上田誠
キャラクター原案:中村佑介 音楽:大島ミチル
キャスト:先輩/星野源、黒髪の乙女/花澤香菜、他
配給:東宝映像事業部 公開日:2017年4月7日 上映時間:93分 

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
 

 

クラブの後輩である“黒髪の乙女”に思いを寄せる“先輩”(声:星野源)は、“なるべく”“彼女の”“目にとまる”の頭文字を取った“ナカメ作戦”で彼女の気を引こうとする。春の先斗町、夏の古本市、秋の学園祭、そして冬……。京都の街で、個性豊かな仲間達が次々に巻き起こす珍事件に巻き込まれる“先輩”。季節ばかりが過ぎていき、外堀を埋めることしかできない“先輩”の思いの行方は……?

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 原作を読まず、何の前情報も入れず。恋愛物かなと思って観始めたところ、そんな一筋縄な作品ではありませんでした。現実の京都を舞台としているのですが、『うる星やつら』の様な、日常世界でありながら、非日常が繰り返される内容。序盤から酔っ払いばかりが登場し、世界観自体も酔いが入っているものですから、シラフではこの世界観に置いていかれるなと思う場面の連続でした。酒飲み達の会話を聞くにつれ、深夜にでもテレビで放送していただいて、自分も飲みながらテンションを合わせたかったと、作品の勢いに乗り損ねた気持ちに。つまりはこの作品に対して酔い損ねたと。序盤で酔えるかどうかが評価の分かれ目に。この酔った勢いが終盤、酔いが醒めるまで続きますから、酔った感覚を楽しめたもの勝ちで、要はこの作品、お酒みたいな楽しみ方をするものなのだろうなと感じました。とはいえ、勢いだけの内容ではなく、本編中のスッゴクつまんないことや意味のなさそうなことが、終盤に向かうにつれて集約されていきます。単なる酔っ払いのバカさわぎに終わらず、実は芯がシッカリとしている。観終わってから内容を思い返してみますと、あれは比喩表現だったのではないかと思いつく場面もちらほら。良くできた話なのだと気付かされました。

 主役は2人という構成。先輩(男性)と黒髪の乙女。時系列はそのままに主役が交互に変わります。モノローグのシーンが多く、台本のボリュームはとんでもなかったのでは。先輩は黒髪の乙女に思いを寄せ、偶然を装い度々顔を合わせて彼女の気を引こうと躍起に。しかし、天然のお嬢さんはそれを大して気にせずゴーイングマイウェイ。先輩の声を演じるのは星野源さん。ストレートな演技ではなく、こじらせた感じの大学生を熱演。あっているかあってないかでいうと、個人的にはあっていると感じましたが、原作ファンから見てどうなのかは分からず。黒髪の乙女を演じるのは花澤香菜さん。若干素が入ったような活き活きとして前のめりな演技は彼女の真骨頂。彼女の魅力が役にも反映されていて、ベストキャスティング。キャストの中で印象に残ったのは、パンツ総番長役のロバート秋山さん。キャストの情報を頭に入れていなかったので、役柄的に稲田徹さんが演じているものと勘違い。本職の声優ではなく、クリエイターズ・ファイルで様々な職種の方を演じている秋山さんだったという。あのナリキリぶりが声優という職業でも遺憾なく発揮されていたのでした。

 何の前情報もなしにこの作品を観てしまいますと、不可思議な世界観とそれを再現したアニメーションに対してあっけにとられると思いますが、ただただ勢いだけの作品ではないのは確か。初っ端からお酒を浴びるように飲まされて力ずくで世界観に引き込まれた後、観終わった後に爽やかかつ静やかな気分にさせられる嘘みたいな作品。なかなか他作品では感じられない異質な面白さがありました。

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