輝きが向こう側へ!

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輝きが向こう側へ!

思いついたことをそのまま記事にしている何の脈略もないブログです。アニメやゲームの感想等を掲載。

【ネタバレ・感想】TVシリーズとしてじっくり観てみたかった続・劇場版『Wake Up, Girls! Beyond the Bottom』

レビュー

[投稿日:2015/12/15]


 12月11日に公開された続・劇場版後篇『Wake Up, Girls!Beyond the Bottom』。この公開日の翌日に幕張メッセで行われたイベントに参加する予定でしたので、これを観ずには幕張へ行けないだろうと、公開日に映画館へ足を運びました。


タイトル:Wake Up, Girls! Beyond the Bottom 制作会社:Ordetミルパンセ
監督:山本寛 キャラクターデザイン:近岡直 音楽:神前暁MONACA
キャスト:島田真夢/吉岡茉祐松田耕平/浅沼晋太郎、丹下順子/日高のり子、他
配給:東宝映像事業部 公開日:2015年12月11日 上映時間:53分

 




■ ストーリー

 東北代表として出場した「アイドルの祭典」での活躍が認められ、アイドル文化の中心地・東京に進出した「Wake Up, Girls! 」メジャーレコード会社bvexとの契約も決まり、活動は順風満帆に思えた。だがブレイクの立役者だったプロデューサー・早坂相が手を引き、動きの早い東京の芸能界の中で「WUGらしさは何か」を見失った結果、苦い挫折を経験する。

 レコード会社や関係者たちが手のひらを返す中、それでもあきらめずに前に進もうとする「Wake Up, Girls!」の姿を見た早坂。彼女たちが再び挑戦するための武器として、新曲「少女交響曲」を与えるのだった。「Wake Up, Girls!」は、心機一転して地元仙台から活動を再開。ライブの復活や全国行脚を通しての地道な努力は、少しずつだが、着実に全国のファンへと届き始める。

 一方、アイドル界の頂点である「I-1club」では、最新シングルの売上ミリオン割れを契機としたセンター争いが勃発。「I-1club」プロデューサー・白木の非情な采配は、意外な形で「Wake Up, Girls!」とアイドルたちを大きなうねりへと巻き込んでいく。

 敗れて尚あきらめられないもの。アイドルとは何か。その答を求めて、物語は再び「アイドルの祭典」へと収束する。



■前篇同様テンポよく進むストーリー、TVシリーズとしてじっくり観てみたい

 旧・劇場版からTVシリーズの流れを前振りとして、この続・劇場版でこれまでの伏線を一気に回収していくという内容となっています。本来であればTVシリーズの時点である程度の伏線を回収して話に盛り上がりを与える必要があるのですが、残念ながらTVシリーズでそれはあまり行われず、この続・劇場版でようやく行われた格好です。旧・劇場版から今回の続・劇場版までの流れ。TVシリーズ2クール(全25話)で構成されていれば、1つの作品として評価が上がっていたのではないかと思いました。

 旧・劇場版(1-3話)…アイドルユニット「Wake Up, Girls!」結成
 TVシリーズ(4-15話)…ローカルアイドルとしての活動時期
 続・劇場版前篇(16-20話)…全国区アイドルとして活動を広げるが人気は続かず
 続・劇場版後篇(21-25話)…ローカルアイドルからのやり直し

 旧・劇場版では、アイドルオーディションのシーンがばっさりカットされていますが、各アイドルの性格を知るために必要なのでカットしていないことを前提とした内容です。(このシーンはTVシリーズ第6巻の映像特典として収録)この作品の観方として、元I-1clubのセンター島田真夢とマネージャー松田耕平はこの作品の主人公ではなく、アイドルユニット『Wake Up, Girls!』を主軸とした群像劇であることを理解しておくことが必要です。旧・劇場版を観ますと、この2人の活躍をどうしても期待してしまうのですが、ことごとく裏切られてしまうので注意です。その点を理解していれば、ストレスを感じず楽しめるのでは。

 さて、この様にTVシリーズに置き換えてみたのは、続・劇場版の内容をTVシリーズとして観てみたかったという感想を持ったからです。前後編ともに約50分の上映時間。その枠に収めるためにテンポ良く話が進みます。少し間違えればダイジェスト映像になりかねないのですが、そこはうまくまとめていました。後篇については、I-1clubのセンター争いや新キャラクターの登場等、話を詰め込みすぎたのか若干ダイジェスト映像に感じる場面もありましたが及第点でしょう。しかし、TVシリーズとしての尺があれば、もう少し話に深みができたかなと思うところもありました。後篇に限って言えばハイエースに乗って全国行脚する展開。この辺り、尺を使ってロードムービーにすることで、努力してきたという過程が表現できるのに勿体無いなと感じました。さらには、I-1clubのセンターの座を降ろされた岩崎志保。博多で新たなユニットを組むことになり、I-1club候補生の新キャラクターも登場するのですが、こちらもしっかり描いて頂きたかったところ。志保が、センターである重圧から解き放たれ、かつての真夢の様に、また一からアイドルに向き合えるようになっていく過程は良くできていました。そして、以前より温和な感じになった志保に感情移入してしまうのですが、ユニットとしての魅力があまり伝わってこなかったのは残念。彼女たちのステージングでそれを感じられない訳でもないのですが、こちらもじっくり描いて頂きたかったところ。つくづくTVシリーズだったらなあと、勿体無いなあと思うのでした。


■WUGとは全く関係ないところで感慨深い気持ちに

 続・劇場版では丹下社長の過去、アイドル時代についても触れられていますが、後篇ではかつて同じアイドルユニット、いやアイドルグループと言うべきか『セイント40』の佐藤勝子が登場。旧・劇場版でもサファイヤ麗子(芸名)として写真で登場していました。その際には、丹下社長と同じ雰囲気を持った、やさぐれた感じに見受けられましたが、とてもやさしそうな容姿に変貌。これを観るに後付け設定なのでしょうか。それはともかくとして、この2人がバーで昔語りをするシーンがありまして、ここでWUGとは全く関係ないところで感慨深い気持ちにさせられました。2人のCVは、日高のり子佐久間レイ。アニメな話をすれば、OVAトップをねらえ』のタカヤ・ノリコとアマノ・カズミ。オールドファンからすれば、元アイドル同士といった関係性。役とのハイパーリンクがこんなところまで。この配役にはズルいの一言でした。


■別視点で久海菜々美のストーリーを楽しむ

 TVシリーズではあまり活躍が見られなかった久海菜々美。ここにきてようやく光塚歌劇団へ入団する夢がストーリーの軸に組み込まれました。WUGを続けるのか、光塚歌劇団入団の夢を追いかけるのかの選択。一度は夢を追いかけようとするものの、最終的にはWUGを選ぶという王道的なストーリーでした。この内容自体については特に感想は無く、久美菜々美役の山下七海さんの演技に注目しました。WUGのメンバー全員が演技力やパフォーマンス力が上がってきていると思うのですが、その中でも一番の伸びを感じるのが山下さんです。旧・劇場版の頃では、今回の役回りを任せることはさすがにできなかったと思います。それが続・劇場版では大役をこなしていた。その様子を見て成長をとても感じ、別視点で久海菜々美のストーリーを楽しむことができました。


■ お遊びなのか演出なのか、片山実波が田中美海

 この映画を観て一番印象に残ったのはアイドルの祭典で『Beyond the Bottom』を歌い踊る姿、ではなく、歌の途中でメインステージからセンターステージへと移動しようとする際の片山実波のアップ。ここの絵が片山実波ではなく、その声を担当する田中美海に見えるのです。これは何を意味するのか。単純に似せて描いたお遊びなのか、それとも演出なのか。これを観て、この続きは現実としてみることができるのだなと改めて実感させられたのでした。映画を幕張メッセでのイベント前に観て大正解。高揚感を感じたまま、翌日のイベントに参加するのでした。